建造物彩色
けんぞうぶつさいしき
概要
わが国における建造物彩色は、仏教の伝来とともに大陸から移入されたと考えられ、平安時代になると大陸直伝の技法から日本的なものとして洗練され、華麗な発達を遂げた。中世では仏塔の内部等にその伝統が受け継がれ、中期からは、素木造【しらきづくり】を基本とした神社建築にも取り入れられ、とくに室町末、桃山時代には漆を加えて建物内外ともに豪華絢爛な彩色を施す技法が発達した。
近代では、油性塗料や合成染料が建築彩色の主流となり、また、天然顔料の資源不足や技術者の減少などもあって、文化財の保存修理以外に古式の建造物彩色は行われていないのが現状である。
このように特殊な技術である反面、文化財の保存には不可欠な技術である。
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国指定文化財等データベース(文化庁)