雪ノ結晶煎茶碗
ゆきのけっしょうせんちゃわん
概要
武雄城(塚崎城)の三ノ丸跡に置かれた登り窯で焼成されたと伝える。箱書には「三ノ丸窯染付 顕微鏡使用雪ノ結晶写生絵模様」とある。武雄鍋島家資料の「顕微鏡」で覗いた雪の結晶を意匠化したとすれば興味深い。
下総国古河の藩主土井利位が、天保3(1832)年に20年にわたって観察した成果を纏め『雪華図説』を刊行して以来、雪の結晶は、当時の人々に、美しく、かつ斬新なデザインとして受け入れられるようになった。この煎茶碗もそうした流行を反映したものの一例として捉えることができよう。
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