木造阿弥陀如来立像
もくぞうあみだにょらいりゅうぞう
概要
木造阿弥陀如来立像
もくぞうあみだにょらいりゅうぞう
福井県
室町時代/15~16世紀
形状:如来形。肉髻、肉髻珠(水晶)、螺髪彫出(大粒)。白毫相(水晶)。半眼閉口。鼻孔浅く窪ませる。耳朶環状貫通。三道彫出。
胸・腹の括れ各1条。袈裟、僧祇支、裳を着す。袈裟は左肩から左前膞を覆い、膝前に大きく垂らし、右腋下をとおり右肩に掛け背中を覆い、右肘に掛ける。
両足を揃え足先をやや開き直立する。
右手は屈臂し、第1・2指を捻じ第3~5指は上方に向け伸ばす(施無畏印)。左手は屈臂し、第1・2指を捻じ第3~5指は下方に向け伸ばす(与願印)。
構造:寄木造 玉眼 内刳りあり。頭部は耳前面部で割矧ぎか。三道下で差首。体幹部は中央から前後各1材を矧ぐ。両肩以下それぞれ別材矧ぎ。左右手は手首より先別材。左右足先別材を矧ぐ。
状態:良好。体部前後材矧ぎ目ややゆるむか。虫損なし。
後補:右手第3・4指先、左手第2指、先白毫・肉髻珠
欠損:背面右の衣手挟みから垂下する部分、光背光芒の一部
彩色:肉身・衣部漆箔 髻古色
光背:挙身光 透かし彫り雲唐草 頭光光芒45本
台座:十五重蓮華座
像高80.4㎝
1躯
福井県鯖江市石田上町37-15
鯖江市指定
指定年月日:20140401
有形文化財(美術工芸品)
本像の造像時期について、明確な資料に欠けるため詳細は不明である。寺伝によると宝徳元年(1449)専順法師は蓮如上人の教化を得、西蓮寺を浄土真宗に改め初代住職となった。また、天文元年(1532)西蓮寺第二代住職了順法師の夢に、越前市陽願寺の本尊との交代を告げ、白鬼女川原にて両寺住職により本尊が取り替えられたという。この本尊交換について、木仏への変更や本像が造られた時期を示唆している可能性があり、注意したい。