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不動明王立像

ふどうみょうおうりゅうぞう

概要

不動明王立像

ふどうみょうおうりゅうぞう

彫刻 / 奈良県

平安時代 12世紀

銅造

像高36.4

1躯

 頭頂に蓮華を表し、総髪(そうはつ)として弁髪(べんぱつ)を左肩に垂らす。天地眼(てんちげん)とし、口の両端から牙を上下に出す。腰を右に捻って上半身を左に傾けるようにして、左足を前に出して岩座の上に立つ。両手とも肘(ひじ)を曲げ、右手先は前方に出して剣を執り、左手は胸辺に上げて索(さく)を握る。立像の不動の多くは、左手を垂下して索を持つのが普通で、本像の姿はめずらしい。このような不動立像は平安後期から鎌倉にかけていくつかの作例が見られるが、本例はその中でも古いところに位置するものである。熊野那智(なち)に近年まで伝来したと伝えられる。
 頭部を小さく作り、極めて長身にあらわされる。体部の肉付けも柔らかで、平安後期の作風を示すものであるが、実際の制作期は鎌倉期に入っているかもしれない。像の根幹部分を一鋳から造り出し、像内は腰下に開けられた大きな長方形の窓から中型土(なかごつち)を取り出している。両手は各々別鋳され、アリほぞにて肩口で接合される。持物・背面腰下の扉等は後補。

奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.295, no.83.

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キーワード

/ 不動明王 / 立像 / 左手

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