色絵金彩菊竹文花瓶
いろえきんさいきくたけもんかびん
概要
赤と金彩を多用した華やかな一対の壺。本品は伏見宮貞愛親王の御遺物として朝香宮鳩彦王が受けたもので、鳩彦王の第一王女・紀久子が13代鍋島直泰に降嫁したことから鍋島家へ伝来した。箱書に「伏見宮貞愛親王御遺物 大正十二年五月二十一日被進 鶴印」とある。
前面後面二か所の窓には菊に蝶と竹林を主文とし、地文には繊細な海松文と吉祥丸文が散らされ、底面に深川製磁のマークである富士に流水がある。深川製磁は、香蘭社設立メンバーの一人である八代深川栄左衛門の二男忠次が創立した、輸出用食器生産を主目的とした磁器製造会社。明治33年(1900)パリ万国博覧会で金牌を受賞、明治43年(1910)には宮内省御用達を拝命。明治44年に株式会社に改組し、鍋島家12代直映が筆頭株主となっている。