地球儀
ちきゅうぎ
概要
武雄錦島家旧蔵の資料で、四脚四柱の上に球体があり、球面に銅版刷りの世界地図が描かれている。太平洋北部に架空の大陸が描かれ、日本の北部やオーストラリア大陸周辺に不明な部分が残されている。総高34.5cm、球径22.2cmで木箱に納められている。
球面に刷り込まれた銘によると、1745年製で、当時アムステルダムで活躍していた地図・球儀製作者のヘラルト・ファルクとレオナルト・ファルク父子の作であることがわかる。箱書きには、「天保十五年辰春」の墨書があり、この年(1844)に天球儀とともに銀島家にもたらされたと考えられ、武雄錦島文書目録にある『長崎方控』の中の天保15年2月10日の到来品に「蘭製天地球 二ツ」とあるのと符合している。
本資料は、希少性や武雄が西洋文化や科学の導入に熱心であり、先駆性を示す資料として貴重である。