天球儀
てんきゅうぎ
概要
武雄鍋島家旧蔵の資料で、四脚四柱の上に球体があり、球面に銅版刷りで大熊座や小熊座・さそり座など宇宙の星々に、ギリシャ神話に登場する人物や動物が重なって描かれている。総高34.5cm、球径24.8cmで木箱に納められている。
球面に刷り込まれた銘によると、1750年製で、当時アムステルダムで活躍していた地図・球儀製作者のヘラルト・ファルクとレオナルト・ファルク父子の作であることがわかる。箱書きには、「天保十五年辰春」の墨書があり、この年(1844)に地球儀とともに鍋島家にもたらされたと考えられる。
本資料は、希少性や武雄が西洋文化や科学の導入に熱心であり、先駆性を示す資料として貴重である。