佐田岬半島の裂織の仕事着
さだみさきはんとうのさきおりのしごとぎ
概要
佐田岬半島では、ツヅレ、オリコ、ニズリと呼ばれる裂織の仕事着が、明治・大正時代生まれの人たちを中心に、戦後しばらくまで着用されていた。それらは、袖のない衣服(袖なし)と、袖付きの衣服(袖付き)に大別される。袖の材質には、木綿の袖(紺無地、縞、絣、アツシ)と裂織の袖がある。袖の型は、巻袖が最も多く、他に筒袖、広袖も見られる。紺木綿の袖には刺子模様を施したものもある。
また、身頃の経糸には、白の木綿糸や、木綿の色糸、麻糸などを使っている。緯糸には、紺、茶などの地味な裂き布や、赤、紫などの派手な色布を使っているものも見られる。身頃の色合いは、同色系の布からなる単調なものや、多色系の布からなる縞模様や、色の違う経糸を用いて格子模様にしたものもある。
半島各地に伝わる裂織の仕事着の形態や材質はさまざまで、使用地である集落の特徴や、着用者、製作者の好みなどが反映されていると考えられる。
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愛媛県歴史文化博物館