涼風文蒔絵茶入
りょうふうもんまきえちゃいれ
概要
本資料は、高岡市大手町在住の漆芸家・高瀬竜一作の涼風文蒔絵茶入である。茶入の蓋上面には2匹の蛍が、側面には夏草とその間を飛び交う蛍の光が蒔絵で表現されている。
資料底面には「竜一」と書印がある。本資料には収納木箱が付属しており、木箱の蓋裏面には「昭和四十九年/十月吉日」と墨書され「竜一」と朱印(ゴム印)がある。木箱の側面には本資料の題名と作者名「蒔絵涼風文/茶入 一/高瀬竜一造」と墨書されている。
資料の保存状態も良好である。
◆髙瀬 竜一(たかせ りゅういち)
〔生没年:昭和3年(1928)~平成29年(2017)〕
高岡市大手町出身の漆芸家。漆芸家の髙瀬直(号・想風)を父にもつ。昭和21年(1946)、父直(想風)に師事し漆芸加飾を習得し、45年に日本伝統工芸展に初入選、49年に社団法人日本工芸会正会員に認定される。同52年からは高岡市展の審査員(以後7回)をつとめ、60年には日本文化財漆協会正会員となる。61年から平成17年(2005)には、高岡市伝統工芸産業技術者養成スクールの講師をつとめる。平成元年(1989)には名古屋外堀公館(名古屋市迎賓館)貴賓室正面の漆壁画四面の加飾を担当した。同4年(1992)には富山県美術工芸作家連盟副委員長として活躍し、また高岡市木舟町の御車山(鉾留・胡蝶の新調)に塗りと金箔押し仕上げを担当、6年には高岡市伝統工芸産業技術保持者に指定されている。同10年には高岡市民功労者表彰、15年には富山県功労者表彰、18年には卓越した技能者(現代の名工)表彰、20年には黄綬褒章を受章している。
(略歴参考HP www.suncenter.co.jp/takaoka/utuwa/sikki/pdf/74.pdf )