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帷子 浅葱麻地清水風景模様

かたびら あさぎあさじきよみずふうけいもよう

概要

帷子 浅葱麻地清水風景模様

かたびら あさぎあさじきよみずふうけいもよう

染織 / 江戸

江戸時代・18世紀

麻、白上げ、刺繡、型染

1領

 帷子とは、麻でできた夏のきものです。裏のない単(ひとえ)仕立てになっています。麻といっても、ごわごわしたものではなく、上質な細い糸で織られたさらっとした肌ざわりで、蒸し暑い日本の夏にはさぞ着心地よいものだったでしょう。
 淡い水色の地に、桜の花が咲きほこる風景が広がっています。どこの景色か、わかりますか?中央、かなりの高さの階段をのぼり切った上にお堂があり、崖に向かって舞台がせり出していますね。そう、ここは清水寺。その右には音羽の滝もみえます。
 紫、紅、萌黄、金など色のついたところは刺繍で表現されています。それ以外の白い部分は、「白上げ」あるいは「白上がり」と呼ばれる技法であらわされています。白く残したい模様の部分に糊を置いてから全体を染めると、糊の部分には染料がしみこまず、白く染め残した状態になるのです。
 桜に注目してみましょう。やや下のほう、近景にある桜の花は、紫や紅色、白、青など、固有の色にとらわれず、一輪一輪さまざまな色であらわされています。一方、上のほうにある遠景の桜は、鴇色(ときいろ)を挿し、波縫いや相良繍(さがらぬい)と呼ばれる玉状に糸を結ぶ技法を駆使して、一輪ずつでなくひとつのかたまりとしてあらわしています。
 京都に行けば、今も同じ清水の景色をみることができます。このきものの持ち主は、名所を取り入れたデザインを身にまとい、観光に行くような気分でおしゃれを楽しんだのでしょうか。

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