日下部鳴鶴所用温恭堂製木管筆 銘 中鋒快剣
くさかべめいかくしょようおんきょうどうせいもくかんひつめいちゅうほうかいけん
概要
日下部鳴鶴(一八三八~一九二二)は中林梧竹、巌谷一六と共に「明治の三筆」と呼ばれる書家。門弟三千人に及んだといわれ、現代の書家の師承関係をたどれば日下部鳴鶴に行き着くことは多く、「日本近代書道の父」として尊ばれている。鳴鶴は明治十三年(一八八〇)に来日した楊守敬のもたらした長鋒の羊毫筆を好んで使用した。本筆は、東京、神田に今も盛業中の筆舗、温恭堂が製した長鋒の羊毫筆である。