白麻地八橋に燕文様染繍帷子
シロアサジヤツハシニツバメモンヨウソメヌイカタビラ
概要
三葉葵の五つ紋付きで、腰から下のみに文様を入れる構成であることから、徳川・松平家ゆかりの御殿女中が主家から拝領した帷子と考えられる。帷子は旧暦の六月から八月まで着用する夏の衣服。御所解文様の帷子は、式日などの改まった日に武家女性が着用した。 杜若が咲き乱れる八橋の意匠は『伊勢物語』第九段、主人公の業平が東国へ下る途上の「三河国八橋」を表したもの。ここでは、物語とは特に関係のない飛燕をそえ、季節感を添えている。