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愛染明王像

あいぜんみょうおうぞう

概要

愛染明王像

あいぜんみょうおうぞう

絵画 / 南北朝

南北朝時代・14世紀

絹本着色

96.0x55.4

1幅

 愛染明王(あいぜんみょうおう)は、愛欲などの強い煩悩(ぼんのう)を、悟りを求める菩提心(ぼだいしん)に高める力をもつ明王です。この像のように、3つの目と6本の腕をもち、体は赤く、怒りの表情で表わされます。そのパワーは強大で、夫婦和合や敵の調伏(ちょうぶく)などを祈る儀式、愛染法(あいぜんほう)を行うときに本尊として掲げられました。
 6つの手には、弓矢や金剛鈴(こんごうれい)など、明王の力を象徴する持物(じもつ)を持っています。振り上げた左の手は軽く握っているだけですが、これは儀式のときにそれぞれの願い事に応じたものを持たせるためです。
 明王が座っているのは蓮の花です。蓮弁(れんべん)は、大きく華やかで、金泥(きんでい)と呼ばれる金色の絵の具を盛り上げて模様が描かれています。よく見ると、蓮弁と蓮弁の間にはあふれでるような蘂(しべ)が細かく描きこまれています。蓮の台を支えるのは、たくさんの宝珠がこぼれ出る福徳の象徴、宝瓶(ほうびょう)です。どっしりとした形、華やかな金雲をあしらった龍の文様が印象的です。そして、宝瓶の下には更に宝珠を載せた大きな蓮弁が描かれています。
 こうした過剰なまでの描写や装飾性をもち、宝珠が重要な要素となっている愛染明王の画像は14世紀頃に集中して見られます。激しい政争が繰り広げられた南北朝時代を背景として生み出された、特殊な儀式で用いられた画像なのかもしれません。

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