十六善神図像
じゅうろくぜんしんずぞう
概要
仏教で仏の教えを記した経典は複数存在しますが、その中でも広く信仰を得た一つが、般若経(はんにゃきょう)です。般若経の守護神とされているのが十六善神(じゅうろくぜんしん)で、通常、釈迦如来を中心に左右に8体ずつ描かれます。しかし、この図は、十六善神に四天王を加え、左右に10体ずつ描いています。
また、この図は色が塗られていません。このように墨の線だけで仏の姿を具体的に描いたものを白描図像(はくびょうずぞう)と呼びます。こうした図像は、仏画を制作する際の手本や設計図として、あるいは記録や研究のために用いられました。この作品は、平安時代から鎌倉時代の僧で、白描図像の研究をしていたことでも知られる玄証(げんしょう)によるものです。白描図像が多く伝わっている、京都・高山寺 に伝来しました。
仏たちは、ずんぐりとした体形に団子鼻など、どこか愛嬌があります。道具に注目してみると、筆や三鈷杵(さんこしょ)など、同じものを手にしている像が3体以上いるものも。通常、持ち物が重なっても、左右対称を考えると2体までで、それ以上重なることはあまりありません。もしかすると、十六善神の構成が形式化する前の、試行錯誤している段階の図だったのかもしれません。
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