檜扇松竹梅鳥籠金銀歩揺簪
ひおうぎにしょうちくばいとりかごきんぎんびらかんざし
概要
真鍮製、銀色絵、二本足の差込式の歩揺簪で、一対(257と258)揃いで伝わる。差込式の飾りは銀製、金色絵で檜扇の上に松竹梅と鳥籠を付け、銀製短冊と金銅製の桜の歩揺飾が下がる。歩揺簪は寛政年間に流行し、鎖の先に蝶や鳥・小鈴などを付けて、歩くたびに揺れ動いて音がするようにしたもので、主に上流階級で用いられて華美を極めた。文化・文政頃に江戸で廃れ、その後上方でも廃れて文久頃には全く絶えたとされるが、実際には近年まで作られ、使用されていた。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。