道中弁当
どうちゅうべんとう
概要
ブリキ製の3段の容器を竹の網代編の籠で包んだ弁当箱である。籠の縁は幅広の竹を使い留め金をつけ両脇に提鐶が付いている。主に往来頻度が高い商人が使ったとされ中央が膨らんだこの形はぶりぶりを模している。ぶりぶりとは小児の玩具であるが江戸時代に毬打(ぎっちょう)の杖と組み合わせてぶりぶりぎっちょうと称する飾物に作り正月の祝儀物として贈る風習があった。また正月、魔よけとして室内に飾ったことから道中の厄除け、無事を祈る思いが伺える。
弁当箱表面は状態良、各段および底に経年劣化による変色、錆がある。竹籠の内面一部に汚れがあるが蝶番、左右の提鐶ともに良好である。
付属品・籠:縦10.5×横16.4×高さ6.3
(参考文献)
・国史大辞典編集委員会編『国史大辞典12』吉川弘文館,1991
・plenus米食文化研究所HP(https://kome-academy.com)
・江戸東京博物館デジタルアーカイブスHP
・精選版 日本国語大辞典(コトバンク)HP(各HP2024.05.24アクセス)