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柏木菟蒔絵料紙箱及春日野蒔絵硯箱〈小川破笠作/〉

かしわみみずくまきえりょうしばこおよびかすがのまきえすずりばこ〈おがわはりつさく/〉

概要

柏木菟蒔絵料紙箱及春日野蒔絵硯箱〈小川破笠作/〉

かしわみみずくまきえりょうしばこおよびかすがのまきえすずりばこ〈おがわはりつさく/〉

漆工 / 江戸 / 関東 / 東京都

小川破笠

東京都

江戸

(料紙箱)
方形被蓋造、台脚付の料紙箱。蓋表は、四方入隅の窓を設け、中央を黒漆地とし、蔦の絡まる柏樹とその幹にとまる一羽の木菟を配する。文様は、金高蒔絵、鉛板、螺鈿を使い分け、木菟は陶板を象嵌する。周縁に設けた窓枠には、鉄粉蒔絵で七宝唐草文を巡らす。蓋葛の四面の窓には、それぞれ黒漆地に鉄粉蒔絵で四季の漢詩を配する。
 身の基台には花形に刳り込んだ台脚を付し、鉄粉蒔絵で唐草文を巡らせる。底面は、全面に布貼りし朱漆を塗り、左下方に方形の陶製銘板を象嵌する。

(硯箱)
方形被蓋造、台脚付の硯箱。蓋表は、四方入隅の窓を設け、中央は黒漆地とし、漢詩、に秋野に佇む鹿、秋草、七宝唐草文などを配する。文様は、鉄粉蒔絵、陶板による象嵌、金高蒔絵などで表す。蓋葛には、四面それぞれに鉄粉蒔絵で「福」と「寿」の二文字を交互に表す。
 身の基台には花形に刳り込んだ台脚を付し、鉄粉蒔絵で唐草文を巡らせる。見込には、下水板を嵌め、中央に方形の硯を据え、水滴と墨を収納する。硯には、上辺に蟠龍、下辺に唐草文、側縁には右に「享保」、左に「年製」の二文字ずつを陽刻する。硯の上方には、銅製鍍金の水滴を配し、側面には「享保年製」「尚行」「観」の銘を陽刻する。墨は、竜頭鯉身の図を表した古墨を模したもので、「玄鯨柱」の文字を陽刻する。

(料紙箱) 縦37.3 横28.2 高14.1
(硯箱)   縦27.2 横17.5 高5.6 (㎝)

1具

出光美術館 東京都千代田区丸の内3-1-1

重文指定年月日:20130619
国宝指定年月日:
登録年月日:

公益財団法人出光美術館

国宝・重要文化財(美術品)

蓋表に窓枠を設け、料紙箱には柏に木菟図、硯箱には春日野(秋野に鹿)図の異なる画題を表した一具である。蒔絵と陶器の象嵌を組み合わせた破笠独特の技法に、一部に鉛板や螺鈿を加えて、多彩に表されている。料紙箱の底に「笠翁製」の陶板銘がある、小川破笠(1663~1747)を代表する優品である。

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