絹本著色雪汀遊禽図〈羅稚川筆/〉

絵画 /  / 関東 

羅稚川
東京都
1幅
東京国立博物館
重文指定年月日:19860606
国宝指定年月日:
登録年月日:
独立行政法人国立文化財機構
国宝・重要文化財(美術品)

 羅稚川は中国の画史類には全く伝を逸した画家であるが、元時代の詩文集には羅稚川画に対する題画詩が散見し、その活躍の様が理解される。題画詩を残している范徳機は一三三〇年、五十九歳で、また趙文は一三一五年に七十八歳で歿しているところを見ると羅稚川も彼らと年齢的には距っていない画家と考えられる。出身の地は臨川(江西省清江)であるが、その作品はかなり広い範囲で評価されていた。
 羅稚川の作品は本図の他に二点が知られている。一図は「溪橋策杖図」(米国・クリーブランド美術館)で、他の一作は「寒村群鴉図」(米国・メトロポリタン美術館)である。いずれも樹木の形態に特徴があり、元時代に復興した李郭派の特色を備えているが、本図の関係でいえば、「寒村群鴉図」は同種の主題であり、羅稚川の画境や主題上の好みを窺わせて興味深いものがある。
 図は雪降った岸辺の土坡に倒れかかるようにして立つ枯木や雪に覆われた汀渚の枯芦に尾長や野鴨を配している。暗い空には千鳥と覚しい鳥が群れ飛んでいる。野趣に満ちた主題構成で、枯木に止る尾長の姿が印象的である。中央の倒れかかったような枯木の形は李郭派の山水画の中で常識化されているが、表現は自然の趣を着実に把えている。画法も形式的な堅さが無い。
 図のような野趣に満ちた江渚の景を画いた図を小景画といい、これも唐時代以来の永い伝統があるが、北宋で貴族画家の中で支持され、趙令穣のような名手も現れている。羅稚川の作をその趙令穣の風があるとする題画詩のある所以であろう。小景画の伝統と元時代らしい継承と展開を示した図として注目される作品である。
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