史記巻第二十九河渠書第七残巻
しきまきだいにじゅうきゅうかきょしょだいななざんかん
概要
史記の唐鈔本として著名な遺巻で、河渠書第七の後半三紙半を存している。現状は折本装で、料紙は麻紙に墨界を施し、一紙二十四・五行、行十七字、註双行に書写する。本文は「山東西歳百餘萬石更□□□」以下六十三行。巻末に「河渠書第七 史記廿九」の尾題がある。尾題下及び料紙各継目の紙背に「藤」字朱方印各一顆があり、尾題下と料紙継目紙背一ヶ所には平安時代中頃と認められる草名が書されていて、わが国における伝来の古さを伝えている。唐代における史記の古態を伝えた現存唯一の稀覯本である。