アブドロミノに奪った王冠を返還するアレクサンドロス大王 あぶどろみのにうばったおうかんをへんかんするあれくさんどろすだいおう

油彩画 

ストロッツィ、ベルナルド (1581-1644)
すとろっつぃ、べるなるど
イタリア
1615-17年頃
油彩、カンヴァス
123.0×175.0cm
1

王位を剥奪され、領地を失い、農民のような生活を余儀なくされた貧窮のアブドロミノに、アレクサンドロス大王(前356―前323)が使者を遣わし、略奪した王冠を返還するという大王の寛大な行為を描いた場面。 本作については、1780年にカルロ・ジュゼッペ・ラッティが『ジェノヴァの優れた絵画・彫刻・建築の解説』第2版の中で触れているが、17世紀イタリア絵画の研究者であるミナ・グレゴーリ女史は次のように述べている。 「このテーマは非常に珍しいもので、あまり一般的ではないが、ストロッツィの絵画世界や趣好に合致したものである。ベラスケスの《ブレダの開城》(プラド美術館)に描かれているアンブロージオ・スピノラを思い起こさせるような人間性豊かな表情の使者が、百姓姿の侍者を後ろに従えた鄙びた風采のアブドロミノと共に描かれている。そこにはフランドル派風俗画に見られる下層民への同化が明瞭に示されており、このことは17世紀ジェノヴァ派の特徴の一つでもあった。」 ちなみに、《ブレダの開城》は本作とほぼ同じ頃に描かれた作品で、ジェノヴァ出身の将軍スピノラが勝利者として要塞の鍵を受け取るという姿で登場するので、制作年代・都市・構図の上で共通点があって面白い。 作者のストロッツィは、フランドル絵画の影響を受けつつ17世紀ジェノヴァ派の基礎を確立、後にヴェネツィアに移住し、ヴェネツィア派バロックの大様式を形成した画家である。画面は王冠を中心として主要人物の顔が対角線上に配置された安定した構図を持ち、その一人一人の人物は多様な個性と豊かな表情を備えている。また技法の上でも、濃密な厚塗り、重厚な筆の動きと自在なタッチの塗りのマチエールの魅力が特徴的であり、カラヴァッジョ風の強い明暗法を用いることによって画面に鮮烈で劇的な効果を与えることにも成功している。 この絵は、1617年のものと推定されているドリア家の最初の財産目録に「アレクサンダー大王」の題名で記録されていて、続いて1625年以前に作成された目録では「イル・プレーテの作品 王冠を贈られた農夫」と記述されている。その後、少なくとも18世紀後半まで、ジェノヴァの名家ドリア一族のジュゼッペ・ドリア(1730―1816)のコレクションで、その宮殿の重要な客間を飾っていたことが判っている。

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