旧函館博物館1号
きゅうはこだてはくぶつかんいちごう
概要
・明治4年(1871)、開拓使の御雇教師頭取兼開拓顧問ホーレス・ケプロンは、大学、博物館、図書館の必要性を建言し、これを受けて開拓使は、明治12年5月25日・函館公園内に開拓使函館仮博物場を開場しました。これは、明治8年の東京博物館、開拓使北海道物産縦覧所の開設、明治10年の札幌の偕楽園博物場開場とともに日本における地方博物館誕生の先駆けです。
・開拓使函館仮博物場は、函館裁判所などを手がけた新潟出身田中善蔵の工事請負により、明治11年5月に着工、同年7月に完成をみました。建物は、博物場本体と管理人室、研究室が廊下で結ばれ中庭が設けられていましたが、現在は博物場本体のみが残り・日本で現存する最古の洋風木造建築の博物館として知られています。建物は、平屋建寄棟造の瓦葺で、外壁は白色のペンキが塗られています。正面入口上部に開拓使印である「北辰」(北極星)が刻まれ、縦長に配列している窓は上下スライドの開閉式となっています。
・開拓使函館仮博物場は、明治15年に函館県博物場(第一館)、明治25年に庁立函館商業学校附属商品陳列場、明治28年に函館水産陳列場(第一館)と改称を重ね、昭和7年(1932)8月には水産館の看板が掲げられ、昭和41年の市立函館博物館本館開館まで使用されました。