旧開拓使工業局庁舎
きゅうかいたくしこうぎょうきょくちょうしゃ
概要
旧開拓使工業局庁舎は、明治初期の北海道開拓を主導した開拓使工業局の庁舎として、明治10年に札幌市街中心部に建設され、昭和54年に北海道開拓の村に創建時の姿で移築された。工業局営繕課は、米国から輸入した建築雛形書を参照しながら、洋風建築を習得していった。この建物では通り抜けの玄関ホール兼階段室をもつ平面構成や、屋根の棟飾り、ポーチの破風飾り、軒下の持送りなどに、米国建築書を参照したことが確認される。旧開拓使工業局庁舎は、明治初期の北海道開拓を支えた同局工作場の現存唯一の遺構であるとともに、工業局営繕課の設計業務の実態を示す建物として歴史的に高い価値が認められる。