宮古上布
みやこじょうふ
概要
宮古上布は、一六三七年に人頭税として上納布に定められて以来、きわめて精巧な織物であることが要求され、その技術伝統が今日に至るまで継承されて宮古上布を性格づけているとみることができる。宮古上布は苧麻繊維を糸とする織物で、越後上布・小千谷縮【おじやちぢみ】(昭和三十年指定)と並んで古来上布の代表的存在であり、高度の技術伝承をしている苧麻布は、この二者が現存しているのみである。
製作形態は、苧麻の手紡糸つくり、藍染、機織り、洗濯(仕上げ加工)、ぬき(補修)等の分業制になっており、それぞれ専門の技術者が高度の技術を伝承している。これらの技法は、雪国における上布製作とはまた別に、高温高湿度地帯における製作技法の特質を具えており、特に手紡ぎにみられるように純度の高い古風な手仕事でありながら今日に至るまで技術を伝承している点、きわめて貴重である。
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)