宋版漢書〈慶元刊本/(内六冊補配本)〉
そうはんかんじょ
概要
南宋時代の慶元年間に建寧府建安縣において劉之問、黄宗仁が共同して出版した三史のうちの漢書で、刊行の年号によって慶元刊本とも呼ばれている。松本市立図書館本は、現存五十四冊、欠巻本は狩谷掖斎が明版六冊をもって補っている。体裁は袋綴冊子本、版式は双辺、有界、半葉十行、行十八字、註双行、版心は線黒口、魚尾。文中上下欄外には史記、通鑑等の諸書及び逸書からの註記書入れがあり、五山僧による紀伝研究の跡を伝えている。松本本は国宝の上杉本と同版本とみられるが、本書には目録末に上杉本にない黄宗仁の咨文が付刻されているのが特徴である。