伊那の人形芝居
いなのにんぎょうしばい
概要
大阪を中心として江戸時代に栄えた人形浄瑠璃芝居は、街道筋を伝って全国各地に普及したが、伊那谷の街道筋に当った各所(長野県)でも、江戸時代からその人形浄瑠璃芝居が行なわれるようになり、それが定着して今日まで伝承されてきている。最盛期には二十座近くの人形芝居の座があったが、次第に衰微し、今では今田人形(飯田市竜江)、早稲田人形(下伊那郡阿南町西条)、黒田人形(下伊那郡上郷町池ノ尻)の三座が活動している。いずれも義太夫節による三人遣いの人形芝居であるが、早稲田人形のように民俗的な信仰を残している三番叟が演じられていたり、家々でそれぞれの得意芸を伝承する風習が残っていたりするところに特色があり、民俗芸能としての人形芝居として貴重な存在であるということができる。
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)