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伊吹山頂草原植物群落
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伊吹山は滋賀県で最も高い標高1,377mの半独立峰で、岐阜県との境にある伊 吹山地の南端に位置し、その南側は関ヶ原地峡、さらに鈴鹿山地と続いている。伊吹 山の中腹以上には古生代二畳紀に形成された石灰岩が広く分布しており、山頂部には カレンフェルトや巨大な石灰露岩等が見られる。気候的には日本海型気候と太平洋型 気候の境界にあたり、冬季日本海からくる寒冷な季節風が強く、山頂部は積雪量が多 い。しかし、この地域の石灰岩には塊状の亀裂が多く、透水性が高く表土は乾燥しや すい。
このような地質的・気候的条件のため、山頂部では樹木の生育が抑えられ、日本で は数少ない山地草原が発達している。山頂周辺の草原には、このような特異な条件下 で生じた伊吹山固有種(ルリトラノオ、コイブキアザミ、イブキレイジンソウなど)、 寒冷な時代の生き残りである北方系の植物(グンナイフウロ、キンバイソウ、イワシ モツケなど)、日本海側多雪地帯の植物(スミレサイシン、イブキトリカブトなど)、 石灰岩地を好んで生育する植物(イチョウシダ、イブキシモツケなど)等の約600 種の植物が群生している。花期には、このような固有種、北方系要素、日本海要素等 の植物が一面に咲き誇り、壮大なお花畑を形成している。
このような広大な草原が維持されてきた要因としては、自然条件とともに、人間活 動も重要な要素であった。伊吹山はほとんどが共有地となっており、かつては広く採 草、柴刈り等に利用される地域であった。そのため、森林の発達を抑制し、広い範囲 が草原として維持されてきたと考えられる。また、この…
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