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纒向古墳群

まきむくこふんぐん

概要

纒向古墳群

まきむくこふんぐん

古墳 / 近畿 / 奈良県

奈良県

桜井市

指定年月日:20060126
管理団体名:

史跡名勝天然記念物

初期大和政権が成立した奈良盆地東南部に所在する出現期の古墳群で、纒向石塚古墳・ホケノ山古墳・纒向矢塚古墳・纒向勝山古墳・東田大塚古墳等からなる。墳丘は全長100m前後の前方後円形を呈し、後円部に比べて前方部の高さが低いところに特徴がある。築造時期は、庄内式期から布留式最古期、すなわち弥生時代終末期から古墳時代前期初頭にかけてである。纒向石塚古墳では周溝からは農具・土木具、祭祀具、建築部材などが出土し、ホケノ山古墳では、木材で構築した木槨部分の周囲に石を積み上げるという珍しい構造の埋葬施設をもち、画文帯神獣鏡や鉄製武器などが副葬されていた。
 本古墳群は、定型化した前方後円墳より遡る庄内式の段階に築造が始まった。この古墳群の墳丘と相似形のものは九州から関東にあるが、分布の中心で規模も大きく、すでに大和地域の首長を中心とした政治連合ができあがっていたことを示唆する。その一方、纒向石塚古墳の周溝から出土した木製品、ホケノ山古墳の埋葬施設や副葬品の構成等は、定型化した前方後円墳には見られないものであり、弥生時代終末期の墳丘墓とする意見もある。
 本古墳群は定型化した前方後円墳の成立過程、さらには我が国における古代国家の形成過程及びその時期の社会の在り方を知るうえで重要である。

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