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静物

せいぶつ

概要

静物

せいぶつ

三岸節子  (1905-1999)

みぎしせつこ

昭和17年/1942年

油彩・キャンバス

52.7×45.0cm

一宮市三岸節子記念美術館

画面右端に署名:S.Migi
裏面に画題・署名・年記:静物 三岸節子畫 二千六百二年三月
作者の視線はテーブルに近づき、この作品ではテーブルクロスは画面とほとんど平行になる程せり上がっている。テーブルの上に果物や花瓶が赤紫の影とともに浮かび上がっているが、中央の花瓶はぼんやりとした形体で、むしろ奥にある果物や背景が濃い色彩ではっきりと描き出されている。そして点描により描かれていることも相まって、画面は収束点を持たずオールオーバーなものとなり、鑑賞者の視線は手前から点々と配されたナイフや果物をたどりながら画面上をさまよい、さらに格子柄のテーブルクロスや右端に半分だけ見える果物と共にキャンバスの外へと広がる。視線が動くことでものを見る角度も変わり、手前では上部から見ている視点も、奥へと行くほど低い位置からの視点へと変わっている。このような視線の移動と結びついた画面構成の方法は、フランスの親密派の画家ボナールの作品等から学び取ったものであろう。

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キーワード

節子 / 三岸 / 画面 / せつこ

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