らるじりえーる、にこら・ど
フランス
17世紀末-18世紀前半
油彩、カンヴァス
81.5×65.0cm
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同世代の宮廷画家イアサント・リゴーが、王侯貴族の肖像画を手がけたのに対し、彼の好敵手であったラルジリエールは、役人や富裕な市民階級の人々の注文を受けて活躍した。彼の肖像画はロココ風で、リゴーの男性的な美をもつ17世紀風の様式に比べると、明らかに新しい時代の到来を予告している。本作は、褐色の色調で簡略化された背景に描かれ、優美で女性らしい雰囲気を醸し出すとともに、ショールの赤や唇と頬の紅の色彩が画面に華やかさと明るさを添えている。ラルジリエールらしい軽妙な女性肖像画である。