四万十川流域の文化的景観 源流域の山村
しまんとがわりゅういきのぶんかてきけいかん げんりゅういきのさんそん
概要
「四万十川流域の文化的景観 源流域の山村」は、四万十川の自然的条件に適応しつつ、川に面し、家屋や畑地、里山等が一帯となって発展した四万十川源流域における居住の在り方を示す文化的景観である。
津野町は四万十川の源流域にあり、不入山を含む地域である。源流には豊かな自然が残り、「四万十源流の森」として保全されている。津野町には平野部が少なく、河岸から上部まで山林が続く傾斜地に張り付くように居住地や耕作地が展開している。一部の農地では、圃場整備が実施された今も、700m級の山々を背景として広がる小さい石垣に支えられた小規模な畑を数多く認めることができる。こうした畑では、かつては、イモ、ムギ、アワ、マメなどが作られていたが、現在は茶畑が中心である。水の確保を目的として、比較的広い平地に整備されたサイフォン式水路は、現在も地域の生業を支えている。