寛永五年惣着到
かんえいごねんそうちゃくとう
概要
初代佐賀藩主鍋島勝茂の時代にあたる寛永5年(1628)に作成された、最初の本格的な佐賀藩士名簿にあたる着到帳。知行高順に配列されており、筆頭は「知行 五萬七千四百五拾弐石 鍋嶋紀伊守」の鍋島元茂(小城鍋島家/勝茂長男)。2位以下は、諫早家・武雄家・多久家・鍋嶋孫平太(鍋島正茂・鹿島)・村田家(久保田)・須古家・などの順に記載されている。鍋嶋孫平太を除き、いずれも龍造寺家系統の重臣で上位が占められている。鍋島勝茂は龍造寺家の家督を継承する形で慶長12年(1607)に藩主となっていた。
巻頭に佐賀藩の什物を管理する御什物方(ごじゅうもつかた)の黒印、巻末に勝茂の黒印があることから原本とわかる点でも貴重である。