二村山鎌倉街道
ふたむらやまかまくらかいどう
作品概要
市内北部に位置し鎌倉街道の通る二村山は歌枕として詠まれた景勝地で、古来より街道を行き交う人々を魅了し、源頼朝をはじめ、北条泰時、飛鳥井雅経、西行などすぐれた歌人の詠んだ和歌が多く残されている。その往来する様子を記した最も古い記録については天暦5(951年)成立の『後撰和歌集』に収録され、紀行文の『更級日記』(1020年)、『海道記』(1223年)、『十六夜日記』(1279年)からも、鎌倉時代以前には人々が二村山を往還していた様子を知ることができる。
また、二村山頂近くには「大同二」(807)銘の二村山峠地蔵尊(市指定有形文化財)が建ち、山麓には「十王堂」、「宿」といった街道の名残を示す歴史的地名も何箇所か残されており、古来より二村山に道が通っていた証拠を示すものとなっている。