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絹本著色仏涅槃図

けんぽんちゃくしょくぶつねはんず

概要

絹本著色仏涅槃図

けんぽんちゃくしょくぶつねはんず

日本画 / 室町 / 近畿

三重県

鎌倉

絹本

本紙縦110.6cm×幅85.4cm

一幅

松阪市中町1961番地

三重県指定
指定年月日:20190128

有形文化財(美術工芸品)

本図は、涅槃に入って横たわる釈迦と、その周囲で悲嘆号泣する菩薩や仏弟子、王侯などの人々と動物・鳥が描かれており、主要な人物には短冊形に名前が付されている。釈迦の枕を蓮台として両手を体側に沿わせる点、釈迦が横たわる宝棺の向きを南面前に描く点、宝棺の前に供物台を置く点などは、仏涅槃図のなかでも平安時代末から鎌倉時代初期にかけて制作された古い形式によくみられるものである。本図に描かれた人物や動物の一部は、応徳三年(1086)に制作された高野山金剛峯寺所蔵の仏涅槃図と姿形が類似しており、制作にあたって、古い形式の仏涅槃図を複数参考にしたことが推測される。釈迦の着ている衣の文様が金泥で描かれているため、本図の制作年代は鎌倉時代と考えられる。鉢を包む風呂敷や、空に浮かぶ月は銀泥で描かれる。ほぼ全面に裏彩色が施され、色感ゆたかに表現される。
鎌倉時代でも中期(13世紀)までに制作されたと考えられ、三重県内でも古い作例として大変貴重な資料である。

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キーワード

涅槃 / 釈迦 / / 横たわる

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