絹本着色 焰摩天像
けんぽんちゃくしょく えんまてんぞう
作品概要
焰摩天は、梵天などと同じく仏教を守護する十二天の一尊で、冥界を司る閻魔王として知られている。本図では、波がうち寄せる岩の上にうずくまる水牛に座り、左手に人の顔がついた杖(人頭杖)をもっている。本絵画に類似する図像として、平安時代に描かれた京都・醍醐寺の作品(国宝)がある。
体部の輪郭が墨線で描かれていることや、金泥の絵具で描かれた着衣の龍や獅子の文様が色彩豊かであることから、室町時代中期、15世紀前半頃の制作と考えられる。