絹本着色 子島荒神像
けんぽんちゃくしょく こじまこうじんぞう
作品概要
子島荒神像は、日本の神仏習合の信仰から生まれた仏教の守護神として三種類(三宝荒神・如来荒神・子島荒神)のひとつで、平安時代に奈良県高市郡高取町・子島寺の僧・真興が悟りのなかで見出したと伝えられる唐装の神将姿が特徴である。本絵画は、岩の上に足を組んで座り、四本の腕それぞれに、密教などで使用される法具をもっている。
落ち着いた色調で描かれている一方で、体部の輪郭は細やかな朱線で描く伝統的な仏画の手法に基づいていることから、室町時代後期、15~16世紀の制作と考えられる。