色絵帆船に阿蘭陀人文蓋付碗
いろえはんせんにおらんだじもんふたつきわん
概要
色絵でオランダ人とオランダ帆船の意匠を加飾した、いわゆる「紅毛絵伊万里(おらんだえいまり)」の蓋付き碗。「五艘船図(ごそうせんず)」と通称される上作の染錦型物鉢(そめにしきかたものばち)の流れを汲む意匠で、これを煮物碗に取り入れたもの。蓋裏と見込み(器の内部)部分は染付で描き、色絵との対照を考慮している。人物は、肌の部分を白地で残し、衣装に黒、緑、紫、赤、金の色料を施す。また周囲を赤で塗りうめ、その両脇に珊瑚(さんご)を金彩で配する。船の意匠は素地の白を生かして描かれ、紅白の片身がわりという吉祥の配色をねらったもの。オランダ船には、海外から財宝をもたらす宝船としての意味がこめられていたことを反映している。国内向けに製作された有田窯の什器(じゅうき)の上級作。
【近世・近代の漆工・陶磁器・染織】