窓辺の女

絵画  油彩画 / ヨーロッパ 

エドゥワール ヴュイヤール (1940年)
ぶいやーるえどぅわーる
1898年
厚紙,油彩
28.5 x 42.5cm

  フランスのキュイゾーに生まれる。10歳の時に一家でパリに転居。1888年に一時国立美術学校に学んだ。ゴーギャンとセリュジエの影響の下に、友人のドニ、ボナール、ルーセルら、アカデミー・ジュリアンの仲間たちと1892年にナビ派を結成し、浮世絵の影響の強い平面的で装飾的な作品を制作した。その後具象的な作風に転換して家庭的な室内やモンマルトルの情景を描き、ボナールとともにアンティミスト(親密派)の画家として親しまれた。ベルネーム・ジュヌ画廊で発表を続けつつ、アンデパンダン展、サロン・ドートンヌに出品を続けた。1937年にフランス学士院会員となり、1938年にはジュネーヴの国連本部に《平和のアレゴリー》の装飾画を描いた。  日常の風俗や母子の光景といった身近な主題に、主題の内面性や画家の内奥の感情を滑り込ませるアンティミスト(親密派)の典型的な作品。彼は1890年代前半には、ナビ派の仲間たちとともに浮世絵版画などの影響による平面的な構成を試みていたが、暗示的ながらここでは三次元的な描写が取り入れられている。暗い室内に左側の窓から柔らかな光が射し込み、椅子、テーブル、その傍らに立つ女性の姿を鈍く照らし出している。塗りつぶすように壁に塗られた渋い緑は空間の関係をあいまいにしているが、テーブルの鈍い朱色、女性の衣服や暖炉の灰色、柔らかな筆触と互いに作用し合って、低い音色の魔術的な調和と情調を生み出すのに役立っている。画家の内面が対象の奥深いところにじかに結びつき、響き合っている。(Kr.H.)

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