本多平八郎姿絵屏風
ほんだへいはちろうすがたえびょうぶ
概要
向かって右には、葵紋を散らした鹿の子絞りの小袖を着た女性が侍女に手紙を読ませる様子、左には若侍と、菊の花束を片手に以て結び文を手渡そうとする禿とが描かれる。右扇の美女を千姫、左扇の若衆を本多平八郎忠刻とみて、両者の出会いを表したとする伝承が古くからあるが、実は二人のロマンスに仮託した附会で、風俗画の主題の一つ「文使い図」と考えられる。背景を省略して人物を大きく扱い、その衣装美や姿態美に重点が置かれた本図は、井伊家伝来の「彦根屏風」とともに江戸初期風俗画中の名品に数えられる。
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