津沢夜高あんどん祭
つざわよたかあんどんまつり
概要
〔行燈の制作〕
行燈の制作時期は各自治会により異なるが、多くの自治会では2月から3月に制作が開始される。行燈の骨組は、最初に軸となる木枠を組んで、その周囲に細く割った竹で形をつくる。その後、照明の電気配線等を行い、和紙貼り、下書き、蝋引き、色塗りの各工程を経て完成する。祭りの約2週間前頃には、「台締め」と呼ばれる行燈を乗せる基台の組み立てが行われる。さらに祭りの前日もしくは当日には、クレーン車等で基台の上に心木を立て、各行燈部品を取り付ける「組上げ」が行われる。
〔行燈の練り廻し〕
祭り当日には、夕刻暗くなる頃に各自治会から行燈が出発し、自治会により決まった社寺への参拝を行った後、各町内を練り廻される。行燈を動かすのは「曳子」と呼ばれる人たちで、大行燈については主に中学生以上の男性が行っている。中行燈や小行燈の曳子については、中学生以下の児童クラブ員が主体となっている自治会が多い。行燈は、自町内のほか、津沢市街地中心部を太鼓、笛、唄の囃子とともに練り廻される。祭り初日には、大・中・小の行燈が小矢部市商工会津沢支所横の「あんどん広場」に順次勢揃いし、行燈コンクールの審査が行われる。
〔ぶつかり合い〕
大行燈同士を1対1でぶつけ、壊し合う「ぶつかり合い」は現在、7つの自治会の大行燈により、あんどん広場において行われている。ぶつかり合いは祭りの2日間、津沢夜高行燈保存会の総裁許の仕切りにより午後9時から午前零時までの間、相手を替えながら繰り返し行われる。このため、「ツリモン」などの壊される部分については、複数の換えの部品が用意されている。祭り2日目のぶつかり合い終了後には、行事の締めくくりとして、最後まで残った自治会の大行燈による「シャンシャン」と呼ばれる儀式が行われ、祭りが終了する。