紀州熊野浦捕鯨図屏風
きしゅうくまのうらほげいずびょうぶ
概要
太地浦を中心に、串本から木ノ本浦(現・三重県熊野市)にいたる熊野灘沿岸の景観と沖合での捕鯨の様子を描いた屏風。紀州において捕鯨業の中心であった熊野灘付近には、古座組・太地組・三輪崎組の3つの捕鯨組織(鯨方・鯨組)があり、それぞれの網代場(鯨漁場)が決まっていた。構図からみて、本図は太地鯨方の網代場を中心に描いたものと考えられる。左下の太地浦浜では、鯨の解体の様子や番所・納屋などの建物が詳細に描写されている。捕鯨の方法である、突取法と網取法がそれぞれ表現されている点も興味深い。