南蛮屏風
なんばんびょうぶ
概要
日本の港町に黒船と南蛮人が到着する様を描く。その構図や図像は狩野山楽筆「南蛮屏風」(サントリー美術館所蔵)の右隻を踏襲しながら、さらに簡略化が進んでいる。波や人物の顔貌には補筆があるが、その下に見える波を表わす筆線は勢いがあり、手馴れた画家による作例であること示す。本図は東京国立博物館本や神戸市立博物館B本(談山神社旧蔵本)などの右隻とも共通する。そのため、この構図が禁教・鎖国後も根強く受容され、南蛮屏風の図様が、オランダとの交易の様子を表わす受け皿となっていた可能性を示唆する。