法華曼荼羅図 ほっけまんだらず

絵画 / 鎌倉 

鎌倉時代・13世紀
紫絹金泥
45.4x33.1
1幅

 曼荼羅(まんだら)とは、仏を集合的に描き、密教の世界をあらわしたものです。この作品は、仏教の経典の一つである法華経(ほけきょう)を、密教に登場する仏の集合であらわしたものです。曼荼羅で最も重要なのは、中心に描かれているもの。この作品の中心には、宝塔(ほうとう)、つまり仏教の塔の中に、釈迦(しゃか)と多宝仏(たほうぶつ)が並んでいます。これは、法華経の一場面。弟子たちを前にした釈迦が、法華経は自分が説いてきた様々な教えの中で最も優れたもので、これを聞いたものはみな仏の悟りに近づくことができる、と説きます。すると、大地から宝塔が出現して空中にとどまります。そして、塔の中から多宝仏がその教えの正しさを証明し、釈迦を塔に招き入れます。二人の仏が塔の中で並んで座るというクライマックスのシーンです。周りには、八枚の蓮華の花びらのそれぞれに菩薩が描かれています。それを釈迦の特に優れた十人の弟子のうちの四人がとりかこみ、さらにその周りにもぐるりと菩薩が並んでいます。
 曼荼羅には色鮮やかなものが多いのですが、この作品は、仏教では高貴な色である紫色の絹に、金と銀のみで描かれています。お経を書く時の様式を意識しているのかもしれません。この金の線は、金泥(きんでい)といって、金の粉を膠(にかわ)という糊で溶いたものを筆を用いて描かれているため、細い線をひくのは難しいはずです。しかし、この作品では、小さな画面にそれぞれの菩薩の特徴である剣や珠(たま)など細部まで描かれ、背景もすきまなく蓮華や連続模様が描きこまれています。高い技術による細かな描写をお楽しみください。

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