関中本真草千字文
かんちゅうぼんしんそうせんじもん
概要
千字文は、わが国に現存する智永【ちえい】の作例が著名ですが、他にも数種の系統があります。この帖は、北宋時代に長安の崔氏が所蔵する真蹟に基づいて、関中に刻したことから、関中本と称されるもの。原石はすでに失われましたが、これは原石からの最旧拓とされます。
梁の武帝が、王子らに書法を習得させるため、殷鉄石【いんてっせき】に命じて、王羲之【おうぎし】の法帖の中から千字の摸本を作らせ、周興嗣【しゅうこうし】に韻を踏んだ文章を作るように命じました。4言250句、1000文字からなり、1字の重複もありません。古くから学書の手本として用いられています。