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鼠草紙

ねずみのそうし

概要

鼠草紙

ねずみのそうし

絵画 / 江戸

筆者不詳

江戸時代・18世紀

紙本着色

33.9×2840.8

1巻

室町時代頃に御伽草子(おとぎぞうし)とよばれる、空想的で教訓的な短編物語が数多く生まれ、江戸時代に到るまで絵巻物や絵本として読みつがれました。鼠草紙もそのうちのひとつです。
主人公は京都・四条堀川に住む鼠の権頭(ごんのかみ)。
人間の女性と結婚して、子孫を畜生道(ちくしょうどう)から救いたいと、清水寺に願をかけたところ、美しい女とめぐり合い結婚することになりました。女は権頭が鼠だとは気付かずに祝言(しゅうげん)をあげますが、あるとき鼠の本性に気付き家を出ていってしまいました。女の使っていた茶碗や髪飾りを見ては泣き暮らしていた権頭。これではいけないと、出家して修行のため高野山を目指すことになりました。その道中、猫の御坊(ごぼう)に出会った鼠、これはもうおしまいか、と思ったら、御坊は、自分はもう100歳をこえていて鼠を食べる気力もないと語り、鼠と猫、ふたりで仲良く高野山に登って修行しましたとさ。おしまい。
平安時代のシリアスな物語世界とは異なり、くすりと笑えるオチが御伽草子の特徴です。
全体で20メートルを超える長い絵巻物なので、一部分しかご覧いただけないのが残念ですが、いつも全力でがんばる鼠の権頭の可愛らしい姿をお楽しみください。

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