猿形埴輪
さるがたはにわ
概要
ふっと物音などに気づいたような一瞬を見事にとらえた猿の姿の埴輪(はにわ)です。
現状では両腕と下半身が失われ、本来の詳しい形はわかりません。しかし、背中におおきくはがれた痕が残っていることから、もとは子猿を背負っていたとも考えられています。そうだとすれば、これは子猿を気にするように母猿が顔を傾け、まもり育てる姿を表わしているのかもしれません。
額の張り出しや小さな鼻に伸びた鼻下、あどけない口元、そして見開かれたアーモンド形の目が印象的です。その顔には、うっすらと赤い彩色(さいしき)が残り、単純化された素朴な形のなかにも、実にみごとに猿の特徴がとらえられています。猿をかたどった埴輪は他に例がなく、さまざまな形が作られた埴輪の多様性を考える上でもきわめて貴重な作品と言えます。
この埴輪が出土したと伝えられる沖洲大日塚古墳(おきすだいにちづかこふん)は、全長が約40mの帆立貝のような形をした古墳で、現在も雲母片岩(うんもへんがん)という石の板を組んだ横穴式石室(よこあなしきせきしつ)が残されています。
文化庁 〒602-8959 京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4 メール:online@mext.go.jp
共同運営NII Powered by GETA (C) The Agency for Cultural Affairs