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鳥海月山両所宮の穀様し

ちょうかいがっさんりょうしょぐうのごくだめし

概要

鳥海月山両所宮の穀様し

ちょうかいがっさんりょうしょぐうのごくだめし

無形民俗文化財 / 東北 / 山形県

山形県

山形県山形市宮町三丁目8番41号

山形市指定
指定年月日:20201126

無形民俗文化財

山形市宮町に所在する神社「鳥海月山両所宮」において行われる作占い神事である。
鳥海月山両所宮は、湧水が多く見られる馬見ヶ崎川扇状地の扇端部分に位置しており、山形城下の地中を流れる馬見ヶ崎川の伏流水が湧き出る場所であったとされ、その伏流水の多寡を利用して作柄を占った。現在は、神事を行う場所で伏流水を明確に確認することはできないが、神事は継承され実施されている。
神事は2日間にわたり、1日目に前年に地中へ埋納した五穀を掘り出し作柄を占う「開く(る)の神事」、2日目に当年に収穫された五穀を地中へ埋納する「休む(る)の神事」が行われる。
使用される五穀は、米(炊いたもの(1升))・稲穂・粟・きゅうり・茄子・インゲン(ささぎ)である。作柄を占う地域は、山形・庄内・秋田・仙台・米沢の5地域である。
五穀を埋納する場所は、鳥海月山両所宮の敷地南端に位置する随神門の西側である。地面に約120㎝四方・深さ約80㎝の穴を掘り、作柄を占う地域ごとに五穀が埋納され、埋納した場所それぞれの上に置き石が乗り、その上から土が被せられる。埋納する位置は、穴の中央が山形、北東が庄内、南東が秋田、南西が仙台、北西が米沢である。
「開く(る)の神事」は、宮司が幣殿で祝詞を奏上し、その後五穀の埋納場所へ移動して、置き石を取り除き、庄内・秋田・仙台・米沢・山形の順に埋納された五穀の状態を確認を行う。五穀が腐れずにどの程度原型をとどめているのかについて10段階で評価する。形がよく残っている方が高い評価となり、それぞれの五穀の評価の合計で作柄の吉凶を占う。合計した数が大きい方が豊作の占いとなる。結果は版木から刷られた用紙に書き写され、集まった人へ配布される。かつては、虫除けの札とともに配られれた。
「休む(る)の神事」は、前日と同様に幣殿で宮司が祝詞を奏上し、当年に収穫された五穀を埋納場所へ埋納し、置き石を乗せ土を被せる。最後に表土の中央へ梵天竿を立てる。
その後、神事に用いた五穀により調理した御飯・茄子とインゲンの味噌汁・キュウリの漬物と、鰊を食する直会を行い、神事が終了する。

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キーワード

神事 / 作柄 / 占う / 行う

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