七尾の嫁暖簾
ななおのよめのれん
概要
本件は、嫁暖簾と呼ばれる北陸地方に特有な婚礼用の暖簾で、石川県七尾市におけるその収集である。嫁暖簾は、嫁が生家から持参した婚礼用具の一つで、嫁はこれを婚礼時に婚家の仏間の入口などに掛けて潜ることで、婚家の一員として認められた。時代を経て形状が幅広くなると同時に、材質、色調、図柄などは、次第に華美なものになっていった。嫁暖簾には、鶴亀や松竹梅、鴛鴦などの吉祥の図柄が描かれ、その上部には、嫁の生家の家紋が染め抜かれている。家紋の周囲には、花柄などで装飾された加賀紋が優美に染め抜かれているものもある。