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ホーロー看板「ヤンマーオフセット式石油発動機販売所」

ほーろーかんばん ヤンマーオフセットシキセキユハツドウキハンバイジョ

概要

ホーロー看板「ヤンマーオフセット式石油発動機販売所」

ほーろーかんばん ヤンマーオフセットシキセキユハツドウキハンバイジョ

民俗 / 昭和以降

山岡発動機工作所㈱〔明治45年(1912)3月。現・ヤンマーホールディングス㈱〕

やまおかはつどうきこうさくじょかぶしきがいしゃ

昭和中期

金属(鉄)・看板(吊り下げ式)・彩色,琺瑯

縦36.4cm×横54.4㎝

1

富山県高岡市古城1-5

資料番号 2-04-66

高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

大正14年(1925)に山岡発動機工作所㈱〔現・ヤンマーホールディングス㈱〕から発売された「ヤンマーオフセット式石油発動機販売所」のホーロー看板。
 看板は吊り下げ式で、表面・裏面ともに同デザインである。看板には「ヤンマー/農業用・土木用/オフセット式石油発動機/販売所」と記載があり、揚水用の「ヤンマーバーチカルポンプ」(1921年発売)と本機のイラストが描かれる。看板の周囲には若干の錆が見られるものの、保存状態は良好である。
 「ヤンマーオフセット式石油発動機」は大正14年(1925)4月から昭和12年(1937)まで製造・販売された。ヤンマーの石油発動機は、創業者の山岡孫吉が農事動力化のため大正9年(1920)から製造を始めた。モデルは竪型(1920年)、横型の変量式(1921年)、スロットル式(1924年)、そしてオフセット式(1925年)の順に開発が進められ、日本だけでなくアジアでも使用された。中でもオフセット式石油発動機はヒット商品となり山岡発動機工作所㈱の主力商品として昭和12年(1937)まで販売された。


【ホーロー看板】
 ホーロー(琺瑯)看板とは、主に屋外の宣伝用として作られた光沢のある塗装・印刷で仕上げられた鉄製看板である。この看板は明治中期頃から昭和中期頃にかけての宣伝媒体の一つとして広く普及し、様々な商品看板が日本各地で見られた。また耐久性にも優れ、劣化しにくい特徴がある。昭和50年代頃からは、新商品サイクルの加速化や住宅事情の変化、新聞やテレビ等のメディア媒体の発達などにより、徐々に見られなくなっていった。


<参考文献など>

・「ヤンマーの歴史年表」〔『ヤンマー100年史』(ヤンマーホールディングス㈱、2013年)〕
・上田伸幸、小林喜久子、森下泰伸「ヤンマー創業期の石油発動機ー堅型・変量式・スロットル式・オフセット式ー」(一般社団法人日本機械学会講演論文集アーカイブ)(2024年4月27日アクセス)

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