子持高坏
こもちたかつき
概要
高坏という高い脚のついた大きな盆につまみのある蓋付の容器が7つ載せられています。茶碗形をした部分は高坏と一体で作られており、複雑な構造をしています。須恵器は登り窯をつかって高温で焼きしめることにより作られた焼き物で、土器よりも硬い製品です。この須恵器は亡くなった人に食べ物を捧げるため古墳に納められたもので、実際に人が使うために作られたものではありません。5世紀に朝鮮半島を経由して中国風の埋葬法が伝えられると、多くの須恵器を使って死者に食べ物を捧げる儀式がととのい、こうした埋葬用の容器も製作されるようになりました。いろいろな種類の食べ物を捧げ、死後も豊かな生活が続くことを願った古代の人々の暖かな気持ちを、この作品から読み取ることができます。