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コンポジション

概要

コンポジション

油彩画

難波田龍起  (1905-1997)

ナンバタ、タツオキ

昭和40年/1965

油彩・キャンバス・額・1面

182.0×227.0

左下に署名、年記

日本・今日の美術展 東京、村松画廊 1965

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コンポジション
Composition
1965年
油彩・麻布 182.0×227.0㎝
難波田龍起が、1956年の「世界・今日の美術展」に出品し、アンフォルメルや抽象表現主義と出合ってから《コンポジション》が描かれるまでには、10年に近い歳月が流れている。事実の地平で人間の存在を証すこと、の必要から生まれたアンフォルメルの絵画が、何よりも個の生命の直接性に発する芸術であるとすれば、すでに戦前にまだ見ぬギリシアを、おそらくはまだ見ぬがゆえに描くことのできた彼は、隔たりや距離を糧(かて)とする作家一一その意味での詩人画家一一一であったのだろう。アンフォルメルの画家たちにとってはカンヴァスの物質性こそ重要であり、下塗りなしのカンヴァスに直描きすることに意味があったのに対して、難波田の50年代後半は、《天体の形象》(57年)《宇宙塵》(58年)、《発生》(59年)などの一連の作品によって個を超越した世界を想い、カンヴァスの生地をコスミックな空間として改めて意味づけることに費やされた。この作品に見られるようなオートマティックな黒の線は、そうした一時期を経てはじめて自在に躍動し得たのである。

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